2015年8月24日月曜日

なにがそうさせている 生き方編1「自分の殻を破る」

「自分の殻を破る」

自分の殻を破る、壁を壊す、ブレイクスルーする、言い方はいろいろありますが、自分を変えたいと思っている人はかなりいると思います。
自己啓発の本を読んだり、セミナーに通ったり、色々な方法を試して、変わりたい自分を求めていることでしょう。
しかし、それで本当に変われたという人は、はたしてどれくらいいるのでしょう。
もちろん、それで全く変わらないとは思えません。
新しい発見があり、いままで気付かなかった物事の捉え方を受け入れた時に、変われた自分に出会うかもしれません。だたそれで自分の殻が全部無くなったと言える状態になったでしょうか?
もしかして、また別の殻があることにも気付いたということはないでしょうか。

多分、本を読んだり、セミナーに行ったからといって、いっぺんに自分の殻が無くなったという状態には、なかなかならないはずです。
そうでなければ、あれだけ同じ内容の本が際限なく出版されることはありません。
本を読んで何かに気付いた時、殻の一部が破れる、というところでしょう。同様にセミナーに行って今までと違う体験によって、違った自分を発見するのかもしれません。
その時、なるほどこういう事だったのか、と理解したことでしょうが、日常生活に戻って暫くするうちに、また元の自分に戻っている。
そういう感じを抱いている人はいませんか。

殻を作ったり壁を作ったりした自分は、今までその殻を磨き、壁を強固にすることに努めてきたはずです。年月を掛けて積み上げてきたものを、今になって壊すということには、無意識の中に抵抗感があるのです。
慣れ親しんだ習慣ですから、それを変えていくには、常に意識的に新しい行動習慣を自身に課していかねばなりません。なんでもそうですが、慣れるまでは多少の苦痛が伴うのです。
人間は理性よりも感情を優先させがちです。頭では解っていても、気持ちが乗らないと、今までの行動パターンの方が楽なので、そちらに流されてしまいます。
本を読んで理解したとしても、それを行動に移すには今までと違ったエネルギーが必要になります。それを発見したときは、気持ちも高揚しているので、やる気のエネルギーが勝っています。ですが、日常ではそれを持続する方が労力になってしまうので、なかなか継続できないということになってしまいます。
また、セミナーでの効果はより高いものと思われます。
そもそもがセミナーという非日常空間での体験であるので、環境の違う中での自分という特殊な状況による成果が生まれます。これはとても強力で、自分が変われた感覚がより感じられることでしょう。
日常という枷が外れる事によって、今までにない行為が出来るようになります。
その時の行動パターン、思考パターンというものが、確実に身について意識せずとも同じ行為が出来るなら、そのミッションはクリアしたと言えるかもしれません。
しかし、これも日常生活に戻った時、また以前のような行動や思考になっているとしたら、完全に殻を破ったとは言えません。
せっかく大きく穴をあけた壁だったのに、また自ら穴を修復していった事になってしまいます。

多分、ほとんどの人が、そういう状態で元に戻ってしまうのです。
すると、せっかく発見したその方法が、自分には合っていなかったからだ、と考えて、また別の方法はないかと探してしまうことになります。
そうやって、次々と新しい方法を求めて本を読み、セミナーに通うという行動を繰り返してしまうのです。

本当なら一度破いた殻や壁は、無くなったままであるはずです。それがまた出来るということは、再び自分自身で作り上げている、という事です。

殻や壁は、自分で作っている。

この事をきちんと理解しなければなりません。
こう言われると、
「そんなのは解ってるんだ、だから壊したいのに!」
そう思うかもしれません。

では、なぜその殻や壁を作ったんですか?

こう質問されたら、明確に答えることは出来ますか?

殻を破ること、壁を壊すことにばかり意識を向けていますが、そもそもその殻や壁を作った目的はどこにあったのでしょう。
その殻や壁は、あなたにとってとても必要なものであったから、自分でせっせと作り上げてきたもののはずです。
なぜあなたにとって、それは必要だったのでしょうか?

殻や壁は必要だったから存在しているのです。必要がないとなれば、要らないものです。
そうなればそこには何もありません。

殻や壁を作るということは、その中に何か守るべきものがあるからです。
外と内を隔てるものを作るということは、内側にある何かを守る必要があると思っているからに他なりません。
そうまでして守らなければならないものを、あなたは持っているという事です。

その守るものをそのままにして、殻や壁だけを壊そうとしても、その行動は、本来守るものを見ないようにして殻や壁を壊そうという行為です。殻や壁を壊したと思っても、守るものがむき出しになっただけなので、壊したはずの殻や壁をまた修復しようとしてしまうのです。

殻や壁を壊したとしても、根本の解決にはならないというのは、こういった構造によるものです。そうなると、いくら殻や壁を壊す方法を変えていったとしても、その行動には意味が無いということが解るはずです。

それでは、この守っているものとは、いったい何なのでしょうか?



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