2015年8月22日土曜日

なにがそうさせている ビジネス編13

「成功とはどこにあるのか」

ビジネスで成功すると言った場合、まずは収益を上げていくことが挙げられると思います。
会社を大きくして、株式上場する程の大企業になること、これも成功と言えるかもしれません。
では、どこまで大きくなれば成功のゴールとなるのでしょう。
収益を上げ続けて、会社を大きくしていくことには際限がありません。
そうなると、成功とはゴールのないものになります。
成功することが目標である、とした場合、目標とは想定した結果を達成することですが、収益や会社の拡大が成功であるなら、到達点はどこにあるのでしょう。

世の中の仕組みでは、成長と共に衰退もあるのが原理です。
売上げの向上、会社の成長も一定期間を経た後、衰退期に入っていきます。向上、成長が成功であるとしたなら、衰退となったとき成功は失敗になるのでしょうか。

ほとんどの人が目標として成功することを望んでいます。
しかし、成功の捉え方によっては到達点のないものになってしまいます。
他の人を見て、あの人は成功者だ、あのように成功したい、と言いますが、それは何をもって成功であると言っているのでしょう。
自分には無いものをを持っている、自分にはできない事をしている、そういう人を指して成功している人という意識を持っていませんか。そこには自分と相手とを比較している考え方が根底にあります。
では、そうした成功者と思える人に「あなたは成功しましたね」と尋ねてみたとしたら、ほとんどの人は「そんなことはありません」と答えるでしょう。
それは自分の中での成功というものには、到達点がないからです。
本人は成功している自覚は無いのに、他の人からは成功者であるという目で見られる。持っていない者には、持っている者が成功者として見えるという事なのです。

では、成功の本質とは何なのでしょう。
この様に目標達成の結果を成功としたら、成功に終わりはありません。成長への欲求自体は人間の本質で、新たな目標は常に掲げられ、限りはありません。だとしたら、そのプロセスこそに成功の本質はあるのです。

一言で成功と言っても、それはその人の捉え方によって違います。人の数があるだけ成功はあると言ってもいいでしょう。自分は何を成功と考えているのか、ということです。
改めてそう問われた時に、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
収入ですか、地位ですか、それとも権力とか。
「いやいやそんな大それたものじゃなくていいんだ、会社が上手く行っていればいいんです。」
「ちゃんとした暖かい家庭を築いて、平和に暮らすことです。」
「私にとっては、結婚できたら成功です。」
なるほど、なるほど、では会社が上手く行くってどういう状況ですか? 平和に暮らすとはどの程度の事ですか? 結婚したらその後はどういう暮らしでも良いのですか?
ここで言っている事は、全てが条件付きの目標である、ということです。
こうなりたい、という条件を付けた時点で成功という本質からはズレていきます。
条件を付けたものは、目標であり、達成するという結果を求めているものになります。
始めに言った、成功者に対する思いというのは、その人が達成した一つの状況が、自分にとっての目標であるという意識のすり替えで言っていることなのです。

本来、成功という意味では、目標とした結果を達成できたら成功であると言います。
逆の意味で失敗と言えば、予想もしくは予定した結果が得られない場合を言います。
何かを予想して行動するという事は、日常のどんな場合にでも当てはまります。つまるところ、生きている中で成功と失敗は常に繰り返し行われているのです。
ところが、「ビジネスで成功するには」「人生の成功を手に入れる方法」といったものを目にすると、何か究極の到達点があるように思ってしまいます。
または、周りの人に「成功しなければダメだ」「必ず成功しろ」「成功者になれ」というような言われ方をすると、自分にとって何が成功なのかを明確に解らないまま、他者の示すところの成功を追い求めてしまいます。

近代社会では物質的欲求を満たしていくことが求められた事でした。裕福さというのが一つの成功という意味で人々の中に意識されたことであると言えるでしょう。
ビジネスにおいては、収益を上げることを第一としますから、その意味では物質的欲求の成功には当てはまると言えます。しかし成長の欲求を満たすとすると際限がありません。むしろビジネスにおける成功というなら、拡大ではなく、利益を継続して確保することこそが成功であると言えるでしょう。

成功という言葉が拡大解釈されて一人歩きすることで、よけいな迷いが生じているのです。
人生の成功、とか成功する生き方とか、本来そこには数値で表されるような決まり切った状況があるわけではありません。千差万別の生き方があるだけです。それをさも何かを見つければ成功というカギが手に入るというように思ってしまうと、出口のない迷宮に入ってしまうだけです。

人生の成功とは、自分自身が決めた目標を達成することで得られる満足感を言います。目標が大きくても小さくても達成したらそれは成功であると言えます。日常で行動していることは、全て予想した未来に向かって行動しています。それが思い通りに出来たとしたら、それは成功したことです。一つ一つの行動に成功か失敗かを当てはめていったなら、あなたはいかに成功した生き方をしているかが実感出来るはずです。
更に言えば、上手く行かなかった事でも、それは予定した通りにならなかった、という意味での失敗になりますが、その事に取り組んだことに後悔はないはずです。むしろやらなかった時の方が、後悔は増していると思いませんか。
人生における失敗とは、上手く行かなかった結果より、取り組まなかったことの方がダメージは大きいのです。

人生としての成功は、結果ではなく、いかに自分自身の望む事をやり遂げられるかなのです。
自分の思う事をやり遂げ続ける生き方こそが、成功した人生であると言えるのです。


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