2015年8月17日月曜日

なにがそうさせている ビジネス編9

「ビジネス・コミュニケーション」

人は人との繋がりの中で生きています。ビジネスでも、それは変わりません。
必ずそこには人と繋がることでビジネスが成立しています。

最もシンプルに言えば、お店とお客の関係がそうです。お客がいなければ商売は成り立ちません。
売上げを伸ばすということは、つまるところ、お客とのコミュニケーションをより円滑にすることです。
お店側が売れる商品として仕入れるものは、お客の欲求を満たす商品であると思って仕入れるはずです。
それを所有することが、お客にとって何らかの有益(ベネフィット)が得られると考えるからです。
ところが、思ったように売れない。
それはお店側が考えるベネフィットをお客の側では感じていない。もしくは理解していない。ということが挙げられます。
周りの人がみんな持っていて、自分だけ持っていない、という場合は簡単に欲求が生まれます。
人間の特性とでもいいますか、自分だけが除け者になることを恐れる気持ちが根底にあるのでしょうか。
とにかく周りに同調しようとする心理が本能的に働くのでしょう。
その性質を上手く活用しているのが、広告であり宣伝であるわけです。
流行やブームというのも、その流れで発生します。

単純にみんなが持っている、知っているから、自分にも必要であるといった商品が一つであったら、それはビッグヒットとなりましたが、今は多様性が生まれて、必ずしもそれでなければならない、という状況ではなくなりました。
現実には同じような商品は多数存在し、また個人の欲求も人との同調より自身の満足度にシフトしていくことで、より選択肢の多様化が進んでいると言えます。
つまり、お客は与えられるのではなく、自ら商品を選ぶ事が商売の主体となっているということです。

本来、お店側は商品を扱うエキスパートです。
その店が勧める商品であれば、間違いない、と思ってお客が買うのが本来の姿でしょう。
それを突き詰めていけば、ブランドとなります。日本で言えば老舗ですね。
そこには、信頼であり、安心感であり、絆というお客との繋がりがあるわけです。

情報化社会の到来、特にインターネットが普及するにつれ、誰でも膨大な情報を簡単に得る事が出来るようになりました。
今までは足を運べるお店にある商品からしか選択するしかなかったものが、ネット上ではあらゆるものとの比較が出来てしまいます。
いつの間にか消費者の情報量は、お店側の情報と同等かそれ以上になってしまっているのです。
お店側としては、より専門性の高い知識と情報を得なければ、お客のニーズに対応できないという状況が生まれます。
それは、お店のコンセプトとして、お客のターゲットをどこにするかにも繋がります。
今現在、テクノロジーが進化する中で、デジタルディバイドが起こっています。ある年代を堺に、デジタル機器を扱える人と扱えない人といった階層が出来てしまっています。
どちらの階層を主体としてビジネスをするのか、もう一律で対応出来る状況ではなくなっています。
旧態依然のやりかたでは、デジタル世代とのコミュニケーションが稀薄になってしまいます。
しかし、これからはその世代が増えていくのです。
ビジネスとしては、その世代にどう対応していくかの方策がなければ、売上げの確保に繋がらないのは明白です。
逆の世代についても同様に、デジタルを使えないからこそ、社会的に不便さを強いられる立場の人と、どうコミュニケーションを取るかという問題です。
いずれにしても、社会的な変化にビジネスとしてどう対応していくか、それこそが店主であり経営者の仕事です。

時代の流れは、デジタル化が進んでいくことに間違いありません。
たぶんあと20年したら、デジタルを使えない人の方が圧倒的に少なくなることでしょう。
そうなった時、お客とのコミュニケーションの在り方も大幅に変わっているに違いありません。

お店の場合で言えば、今までは店頭商品がお店側のアピールでした。お客は来店してそこから選択しました。
ところが、お客の選択肢が広がったので、お店自身のアピールが必要になります。
ここに来て、お店自身、つまりは店主であり経営者とお客とのコミュニケーションが、事実上の売上げに繋がるということになります。

コンプライアンスという理念がもてはやされていますが、経営者の不祥事で会社の損失が増大するという事件が起こったりしています。これも一種のお客とのコミュニケーションによるものと言えるでしょう。
コミュニケーションとは、相手に自分の事を伝えて、お互いを理解し、そこに信頼を築くということに他なりません。
嘘や、ごまかしがあっては、信頼を築くことは出来ません。

ビジネスというのは、収益があってこそですが、収益のために嘘やごまかしが有るようでは、いずれそれが明るみに出た場合には、取り返しのつかない損害の方が大きくなります。
始めに戻りますが、人は人と繋がっているからこそ、ビジネスが成立します。
お店は商品(サービス)を提供し、消費者はそれに見合った対価を支払い、それぞれが満足感を得られることが、ビジネスの基本的な仕組みです。
そこに、お互いを尊重し分かち合うという精神を持つ事で、より満足感を味わえる事が出来るのです。
どちらも相手の事を思いやるという精神が欠けたとき、コンプライアンスや、モンスターペアレントという問題が深刻化していくのでしょう。



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