2015年7月26日日曜日

こころの健康と臨床 不安障害 -パニック障害-

不安障害には幾つかの分類があります。
  • パニック障害
  • 社会不安障害
  • 強迫性障害  
    他にも全般性不安障害、恐怖症性不安障害、外傷後ストレス障害など
まずはパニック障害について。

このパニック障害というのも割と聞いたことがあるのではないかと思います。
電車に乗れない、とか人混みに行けないなどの症状で苦しんでいる人です。
かなりポピュラーな病気であり、女性は男性の2倍ぐらいの発症率があるといわれています。軽度なものを経験したことがある人は多いと思いますが、パニックになる原因については、今のところ生理的に特定される原因は不明のようです。
実際の症状としては、
  • 心臓がドキドキする
  • 汗をかく
  • 身体や手足の震え
  • 呼吸が早くなる、息苦しい
  • 息がつまる
  • 吐き気
  • めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
突然、こういった身体の反応が現れることで、現実でない感じや、身体のコントロールが効かなくなって、死んでしまうのではないかという恐怖に襲われる、というような状態になってしまいます。

まず、要因となる出来事があって(電車に乗る)
心身の変化が起こる(めまいや動悸、息苦しさ)
このまま倒れてしまうのではないかという恐怖(破局的認知)
その場から逃げ出す(回避行動)
また電車に乗ると、発作が起こるのではないか?(予期不安の形成)

こういった心理で、その後電車に乗れなくなってしまう、といった具合になり日常生活に支障を来すこととなります。
実は、この発作的な身体状況については、一時的なもので、時間が経てば収まってくるものなのです。パニック発作によって命が脅かされるようなことはありません。冷静にしていれば、やがて発作はおさまってきます。
問題なのは、その状況になったときの破局的認知にあります。
身体の状態に過剰に不安感を募らせる結果、それがまた興奮状態を引き起こし、症状が持続してしまいます。火に油を注ぐような状態ですね。
まず、発作は必ずおさまるという認識をしっかり持って、過度に身体に現れた症状を意識しないように冷静さを保つことが、パニックにならない秘訣です。

身体に起こった症状を冷静に捉えて、慣れていくこと。発作が起きたら、ゆっくりと腹式呼吸をして、慌てずに落ち着くのを待つなど、対処法を身につけましょう。
ガムを噛むとか、音楽を聴くとか、自分に合ったいろいろ落ち着ける行動などを探してみるのもよいでしょう。
対処法のとしての呼吸法は、気持ちを落ち着かせるという場面では有効な方法なので、覚えておくと便利です。
まず、鼻からゆっくり息を吸い込みます。このとき、脇腹やおなかを膨らませるように腹式呼吸をします。息を吸い込んだら、一秒ほど間をおいて、「ふーー」っとろうそくを吹き消す時のようにしてゆっくりと息を吐きます。吐き終えたら、今度は長めに間をおいて、また息を吸い込みます。これをゆっくりと繰り返します。
鼻から息を吸い込むことで、鼻腔内の神経を刺激し、副交感神経が活発になりリラックス効果が生まれます。
呼吸を意識することで、呼吸が整い、不安感からも一旦気持ちをそらすことができる。

パニック症状が出ることを殊更に怖がって、そうなる可能性のある状況を避けようとしますが、それではなかなか解決には向かいません。身体的症状で肉体が損傷するような事は起こらないし、自然と収まっていくんだと理解し、その状態に慣れていくことで、症状を克服していくというのが改善の流れです。

まあ、そうは言っても本人にとっては、ちょっと恐いことではありますよね。
実は自分もちょっと高いところは苦手です。恐怖症という程ではないので、行けないことはないんですが、だからといってあえて無理矢理行くことはないですね。
どうしても、という状況の場合は、「絶対に大丈夫なんだ」と自分に言い聞かせ、おしりから背中にかけてひゅるひゅるした感じがくると、「おっとっと、来たぞ〜」ぐらいに思うようにしていますね。
慣れていくには時間がかかるのは仕方がないかもしれません。
少しずつでも改善できれば良いのではないでしょうか。


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