2015年9月8日火曜日

なにがそうさせている 生き方編5「問題の解消」

「問題の解消」

何か問題を抱えているという時、突き詰めていくとそこには人間関係の問題が出てきます。
社会生活を送るうえでは、必ず誰かとのコミュニケーションが発生します。そこに何らかの不都合が生じることで、精神的な問題を引き起こすのです。
そこには対象となる相手に対して、何か不快感を持った自分がいるわけです。
この不快感を探っていくことで、自分の持っている精神的な問題が明らかになります。それが自分自身を見つめる事であり、癒しに繋がることでもあります。

本当の癒しとは、自分の抱えた問題が解消された状態です。行楽やレジャーなどで、癒やされたと言っていても、日常生活に戻って問題が解決していないのであれば、それは一時的な逃避でしかありません。
リフレッシュという意味ではストレスの解消に役立つかもしれませんが、問題の根本的な解決は別の所にあります。

コミュニケーションの問題において、なかなか解決に向かわない要因がいくつか挙げられます。
ひとつは、問題となる原因を相手のせいにしている場合です。
「〇〇さんが悪い」
「〇〇さんのせいでこうなった」
こういう思いでいる限り、問題の解決にはなりません。
なぜなら、相手が変わらなければ、何も変わらないからです。
しかも、自分の思うとおりに変わってくれなければならないのですから、そんな都合良くいくわけがありません。

夫婦間の諍いなどは、この典型的な例ではないでしょうか?
「夫が家事を手伝ってくれない」
「いちいち細かいこと言われたくない」
そんな場面がありませんか。
これらは全て相手に要求していることです。自分の思ったとおりに行動してくれない不満を、相手にぶつけている行為です。しかも一番身近な存在であるから、お互いが自分の事を分かって欲しいという気持ちがあるので、逆に些細な事でも気になってしまう事でしょう。
夫婦であるなら、こうしてぶつける事も出来て、それで歩み寄るという場合もあるでしょうが、他人となると、なかなかそうはいきません。どうしても不満をこらえてしまうことになり、それがストレスであり問題となってしまいます。

これを解消するには、自分が変わらなければ解決には向かいません。
他人を変えるより自分が変わること、とよく言われますが、これは全くそのとおりなのです。
人は誰もが自分が正しいと思っています。会話をしていて、それは間違っていると言われたらちょっとムッとくることがあるでしょう。お互いが自分が正しくて相手が間違っていると主張していたら、平行線は続きます。
さらに、ここには自分の事を分かって欲しいという承認欲求も働きます。
人は常に共感されたいという思いも持っているので、否定されることが恐怖でもあるわけです。
間違っていると言われると、それは否定されたことになり、無意識の中で恐怖は闘争本能を引き起こします。そうすると、間違っているといわれたら、食って掛かるという行動に繋がったりするのです。
逆に何も出来ない場合は、そこから逃げることになります。議論は避けるとか、我慢するという行動になりますが、本来逃げるというのは不快な事なのに、そこは無意識で行っているので、不快感だけが意識に残ることになります。

相手から言われてムッとしたり、避けたりしている事は、自分は変わらないと頑なになっている事です。
そんなに自分も変わる事に抵抗があるなら、相手だって同じです。
自分が出来ない事を、相手にだけ押しつけるというのは、ちょっと理不尽とは言えないでしょうか。
それよりは、まず自分が変わる事の方が、よほど楽なことだと思います。

自分が変わるには、その無意識に行っている抵抗が何なのかを探ることです。
なぜ相手がそれを正しいと思っているのか、そしてなぜ自分はそれを間違っていると考えているのか、そこを読み解いていく作業が必要になります。
まず、相手が置かれている状況や立場は、自分とは違うということを認識しましょう。状況や立場が違えば、考え方も違っていて当たり前です。その人にはそう考えなければならないという正当な理由があるのです。
同じように、自分にも自分がそう考えている根拠があるはずです。
意識しているものもあれば、それが無意識に行っている場合もあります。

対人関係の中で、何か問題や不快と感じたら、一旦そこに意識を向けて、相手の何が自分の感情に触れたのかを考えてみましょう。特に無意識は感情と密接に繋がっています。そこが刺激されるから不快や嫌悪などが生じるのです。
感情が揺さぶられると、それに反応するパターンが無意識に発動して自動思考が働きます。
自動思考は、自分の中で常に同じ行動パターンをくり返していき、強固なこだわりになっていきます。それが変化することを妨げている要因です。
そもそも、なぜこだわるようになったのか、なぜそれが不快と思うのか、それは自分で作りだした思いなのです。
それに気付いてしまえば、問題と思っていたことも受け入れられるようになります。
そうなったとき、自分は変われたということであり、問題も解消するはずです。




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